不動産分野
大学卒業後、6年間、建設・不動産系の会社に勤務しておりました。
そのため、二級建築士と宅建の資格をもっており、弁護士としても建築・不動産分野を専門としています。
対応案件
以下のようなご相談・ご依頼を受けることが多いです。
- 不動産売買契約や賃貸借契約における建物の瑕疵(契約不適合)に関する紛争
- 賃貸借契約における賃借人側の工事(B工事・C工事)や原状回復に関する紛争
- 売買代金や賃料の未払いに関するご相談
- 所有するビルのテナントへの対応に関するご相談
- 借地借家法に関連するご相談(定借の有効性・立退き・建替え等に関する地主の承諾)
- 宅建業法に関連するご相談
- 不動産紛争に関する訴訟・調停・あっせん等への対応
- 不動産分野の一般的な法律相談
解決事例
依頼者は区分所有建物(マンションの一室)の所有者であるA社です。A社は、12年前から、B社に対し、期間を3年とする定期建物賃貸借契約(再契約)を締結して、当該マンションの一室を貸してきました。契約手続は不動産会社に委託していましたが、当該不動産業者は、何度も契約が繰り返されていることもあり、定期賃貸借契約であることの説明書面(借地借家法38条3項)の交付及び説明を面前で行うことを怠り、ただポストに投函していました。そのため、A社が期間満了による立退きを請求した際に、B社は「定借は無効であり、当該契約は普通賃貸借契約であるため、立退き要求は認められない」と主張してきました。
交渉によっても立退きに応じなかったことから、私は、A社の代理人として、B社に対し、立退請求訴訟を提起し、定借が有効である旨の主張を行いました。また、契約上、明渡しを遅延した場合には、賃料の倍額相当額を請求できる内容になっていたため、定借期間の満了日から明渡しに至るまでの損害賠償請求も行いました。相手方は、「少なくとも最終の契約については定期賃貸借契約であることの説明がなされていないため、定借は無効である」と主張していました。しかし、当方は、裁判所にB社の悪質性を理解してもらうために、本件の事実経緯を詳細にまとめた準備書面を提出し、また、「仮に定借であることについて直接的な説明を行わなかったとしても、諸般の事情から、『賃借人において定借であることを把握していた』と認められる場合には、定借は有効である」旨を判示した裁判例を書証提出するなどした結果、裁判官の理解を得て、勝訴的和解にて解決しました。
依頼者は不動産業者であるA社です。A社は転売目的で個人であるB氏から土地を購入することとし、土地売買契約を締結しました。しかし、その直後に、B氏の代理人弁護士からA社に対し、「B氏は、宅建業者であるA社の説明により売買金額を相場価格だと誤信した。実際には、売買金額は相場よりもかなり安いため、売買契約は錯誤により無効である。」旨の書面が届きました。そのため、A社は私に対応(B氏代理人との交渉)を依頼しました。
A社は、訴訟(裁判)を行って『売買契約が有効であること』を確定させるのではなく、転売利益の半分程度の支払いを受けて当該売買契約を解消する方向での解決を希望していました。これを踏まえ、相手方に対し、レインズの取引事例を提示して相場価格を示し、また、提訴する姿勢を見せながら交渉を行い、最終的に、見込み転売利益の7割強の解決金の支払いを獲得しました。
依頼者は建物を所有するA社です。A社は当該建物をB社に賃貸していましたが、建物が老朽化してきたため建替えを計画しました。A社及びB社間で賃貸借契約終了に関する協議を行った結果、合意が成立し、明渡期限や立退料、違約金(明渡が遅延した場合の遅延損害金)等について規定した合意書を締結しました。しかし、B社が明渡期限までに明渡を行わず、また、違約金の支払いもしなかったことから、A社は私に法的手続での解決を依頼しました。
建物の明渡しと違約金の支払いを求めて訴訟提起するのが一般的な進め方ですが、訴訟の場合、長期化する(1~2年程度の期間を要する)ケースが多いため、早期解決を目的に仮差押えの申立てを行うこととし、賃借人の預金を(仮に)差し押さえることに奏功しました。これにより賃借人は当該預金の引き出しができず、また、取引銀行との信用の問題もあって事業遂行上の支障になることから、早期解決を希望し、明渡しと違約金の支払いを獲得することができました。訴訟をせずに、協議による早期解決を実現した一例です。