建築分野
大学卒業後、6年間、建設・不動産系の会社に勤務しておりました。
そのため、二級建築士と宅建の資格をもっており、弁護士としても建築・不動産分野を専門としています。
対応案件
以下のようなご相談・ご依頼を受けることが多いです。
- 建物や工作物の瑕疵(契約不適合)に関する紛争
- 請負代金の回収
- 設計業務委託契約における債務不履行(予算超過・業務遅延等)に関する紛争
- 近隣クレーム(設計変更要求・工事騒音へのクレームなど)への対応
- 行政対応(建築主事・指定確認検査機関が建築確認をおろしてくれないケースや中高層条例等の条例に基づく行政指導への対応)
- 建物引渡し前の紛争によって工事が中止(一時停止)した場合の交渉
- 建築紛争に関する訴訟・調停・あっせん等への対応
- 建築分野の一般的な法律相談
解決事例
依頼者は建築会社であるA社です。A社は、施主であるB社と建築請負契約を締結したうえで併用住宅を建築し、引渡しを行いました。しかし、その後、B社から設計上の瑕疵や音の瑕疵等について修補請求を受けました。A社は自社で交渉を行っていましたが、協議がまとまらず、B社がA社を被告として『瑕疵担保責任に基づく瑕疵修補代金の損害賠償請求訴訟』を提起してきたため、私に訴訟代理を依頼しました。
この訴訟は建築の技術的な部分が争点となっていたため、A社の技術部や施工部とも打合せを重ねて準備書面(訴訟上の主張書面)を作成しました。また、A社及B社間の口頭での合意内容も争点となっていたため、担当者から打合せ議事録を共有していただき、すべての内容を確認したうえで当方の主張構成(攻撃防御方法)を検討しました。緻密な訴訟追行の結果、裁判官の理解を得て、全面勝訴に至りました。
依頼者は建築会社であるA社です。A社は、施主であるB社と建築請負契約を締結したうえで着工しました。その後、B社から膨大な追加変更工事の注文が繰り返されました。A社は都度変更契約書を作成し、B社のサインをもらいましたが、その際に、B社から「追加変更工事の代金については、引渡し前に第三者の査定を受け、当該査定に基づいて見直すこと」を要求され、やむなく、当該内容の書面を差し入れました。しかし、査定を行ったのがB社側の業者であったため、変更契約書に記載の金額を大幅に減額するような査定がなされました。そのため、協議がまとまらず、A社はやむなくB社を被告として請負代金請求訴訟を提起することとし、私に訴訟代理を依頼しました。
訴訟では、変更契約締結の際にA社がB社に差し入れた書面の解釈が争点となりました。相手方は、「当該合意は請負代金額を第三者の査定額とする旨の合意である」と主張しました。これに対し、当方は、「当該合意は、第三者から合理的な査定が提出された場合には、当該査定を踏まえてA社にて減額できる部分があるか否かを検討することを約束したに過ぎない。」と主張しました。また、当方は、あわせて、裁判所にB社の悪質性を理解してもらうために、本件の事実経緯を詳細にまとめた準備書面を提出しました。その結果、裁判官の理解を得て、勝訴的和解にて解決しました。
依頼者は建築会社であるA社です。A社は、施主であるB社と建築請負契約を締結したうえで工事を行い、竣工しました。しかし、引渡し前に、B社は「A社との間で、全面道路にある電柱(敷地間口の中央付近にある電柱)を端の方に移設することが約定されていた」と主張し、電柱移設又は損害賠償の履行を求めました。A社は自社で交渉を行っていましたが、協議がまとまらなかったため、私にB社代理人との交渉を依頼しました。
当方は、「サービスでB社にかわって電柱移設に関する近隣との交渉及び電力会社との協議を行う旨の話はしたが、そもそも電柱移設は当方の一存で行えるものではない(近隣住民の同意が必要)であるため、電柱移設を確実に実現することについては約束していない。」と主張しました。当方は、提訴する姿勢を見せながら交渉を行い、最終的に、低額の解決金の支払いを行うことで早期解決(建物の引渡しと請負代金の回収)に至りました。
依頼者は建築会社であるA社及施主であるB氏です。中高層住居専用地域において3階建ての建築に着工したところ、道路を挟んで向かいのマンションの住民(管理組合)から「3階部分をセットバックしろ」等の設計変更の要求を受けました。また、合理的範囲内の工事騒音についてもクレームがありました。A社が近隣住民と協議をしていましたが、まとまらなかったため、私に代理を依頼しました。
私から設計内容について説明するとともに、譲歩案(3階部分の一部ふきおろし)を提案し、あわせて、「それ以上の譲歩はできない」旨の話をしました。その後、近隣住民から、2か月にわたって主張・要求のメールがありましたが、A社及びB氏の意向をうかがったうえで、一貫して「それ以上の譲歩はできない」旨の回答を行い、沈静化しました。
依頼者は施主であるA社です。東京23区では、いずれの区においても中高層条例があり、設計や工事等に不満のある近隣住民は区にあっせんの申立てを行うことができます。隣人であるB氏が当該制度を利用してあっせんの申立てを行ったため、私がA社の代理人としてあっせんの期日に出席しました。
B氏からは複数の設計変更の要求がありました。しかし、安易に譲歩すると要求がエスカレートすることから、特定の窓に目隠しを設置する要求のみを提案し、その他の要求については毅然とお断りしました。あっせん手続は、合意の見込みなしとして1回の期日で終了しました。あっせんの申立て前は、B氏から直接A社に対して複数回にわたって申入れや書面の送付などがありましたが、あっせん手続終了後は沈静化しました。
依頼者は施主であるA氏及び建築会社であるB社です。賃貸住宅の建築を行うために建築確認申請をしたところ、区から敷地の二重使用について行政指導があり、長期間にわたって建築確認を取得できなかったことから、私に区との協議を依頼しました。
裁判例上、建築主事は建築確認を行う際に敷地の所有権の範囲の問題(民民の問題)について立ち入ることはできないとされています。これを踏まえ、B社に同行するかたちで2度区と協議を行った結果、2回目の協議から3週間後に建築確認が下ろされました。